バスの発着場にて

コミュニュティーバス

このコースの終着には、小さな店舗がある。訪問先がお留守だったらこのお店で少しお話を伺いたいと思っていた。久しぶりに終着の停留所にお邪魔した。

以前に2度お邪魔したことがある。

はじめてバスに乗ってここに来た時、周囲にトイレがなくて、このお店で借りた。

それから別の日に、ここで下車した乗客さんと一緒に店内に入り、お話を伺った。

あれから、もう一月以上たつ。入り口のガラス戸から中を覗く。人影は見えない。年末年始はいろいろ忙しいだろう。お邪魔かなあと思いながらスライドの扉を開ける。「こんにちわ」店主が顔をのぞかせる。「バスが出るまで少し見せてもらっていいですか?」店内の中へ。

ハイター、台所用洗剤…日用雑貨、塩、しょうゆ…常温保存の調味料、砂糖、三温糖もある。懐かしいお菓子の袋、のど飴

業務用の車が停車し、郵便局員の姿が。集配もここで行う。

当院の売店は比較にならないくらい規模は小さいが、お寿司やお弁当を置いている。ここには、おにぎりやお惣菜の類は見当たらない。あんぱん、メロンパン…懐かしい。ジュースと菓子パンを購入、次のバスの発車までまだ時間はある。店の中央にあるテーブルには市広報などが置いてあった。「どうぞ」と言っていただいたので、側の椅子に腰かけさせていただいた。

少しお話をお伺いできればと思っていた。本当にありがたい。

バスの執着には、この店舗の他に小さな建物が2つ並んである。

この建物についてお話を聞いた。

ひとつは、味噌をつくって、給食センターにも卸していたらしい。今は、皆が高齢になって、数人が設備を利用して味噌はつくっているようだが、もうセンターには卸していないとのこと。市から補助をもらっていたということは、おそらく「集落活動センター」の活動なのだろう。

もうひとつは、多目的ホール。定期的な活用には至らないが、集まりには使われるよう。9月の敬老会が一番最近のイベントらしい。2年に1回の敬老会。30人くらいが集まった。市の危機管理課が来た。みなで災害の話を聞き、仕出し弁当を取って食べたとのことだった。

敬老会のない年は、「ふるさと会」が開催されるとのこと。来年は、このふるさと会の年。

ふるさと会は、外へ出て行った人たちが戻り住民と一緒になり、地元のお祭りに合わせて開催される。50人くらいにはなるという。そこでは、「はなどり踊り」という地域の踊りが披露される。踊り手も年をとり、前の時は4人が踊ったとのことだった。

地域から外へ出て行った方への案内状は、地区の民生委員さんが主になって準備する。150通にもなるそうで、そのうち参加になるのが毎回25人程度。亡くなった方も把握しながらの案内状の送付はそれほどたやすくはないはず。

このすぐ近くに旧小学校があり、宿泊設備として、団体の合宿などに利用している。市内の自立支援の施設の入居者や、県外からスポーツチームのメンバーが訪れてくれるが、地元の子どもたちの行き来はないという。

ひとは、もうなかなか集まらんね…

この地域で学校に通うお子さんのいる家族は1,2件だと聞いた。過疎化は、言うまでもない。

はなどり踊り…先日、同じような話を聞いていた。

地元の祭りの踊り手問題…踊り手の高齢化で、次の世代の踊り手がいない。文化の継承が難しい。諦めるのはもったいない。簡単には解決しないかもしれないが、そこの地域は、地域おこし協力隊が地元の人に教えてもらって踊った。

「はなちゃんバスがここを通るって決まって、これは…って思ってる」

この地域で暮らす人は、市中バスが廃止されてどんな気持ちになったのだろう。コミュニティバスが通ると決まった時、なにを期待したのだろう。

そろそろバスの時間になる。立ち上がった時、「ちょっと待ってよ」と店の奥に。出てきた彼の手から受け取ったリーフレット。

山里の集落…宿毛の子どもたちも知らない世界。

可能性がいろいろある。

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